「favyさんには、T-MARKETの運営を通じて得られたデータや経験を基に、利用者とテナントの満足度をさらに高めるための進化を期待しています」

スマホひとつで、食事をもっと自由に。虎ノ門ヒルズ『T-MARKET』では、favy社が提供するモバイルオーダーを活用し、飲食体験の新たな可能性を切り拓いています。スマートフォンで事前注文し、自席で料理が提供される。効率性と利便性を兼ね備えたこの体験は、「次世代フードホール」の姿を体現しています。
27の多彩な飲食店舗が集うこの“食のコミュニティ”では、昼と夜で異なる業態が展開されています。 昼はセルフ型のフードコート形式で、手軽に食事を楽しめる一方、夜は業界でも注目を集めるフルサービスのレストランスタイルへと変化。 利用者は複数店舗から料理を注文し、各店舗で提供される料理を一括会計で楽しむことができる、目新しいスタイルが特徴です。
利用者の利便性を高めるとともに店舗運営を支えるfavyモバイルオーダーについて、『T-MARKET』関係者のインタビューで紐解いていきます。

左から、杉山さま、草川さま、亀山さま、水野さま
虎ノ門ヒルズ『T-MARKET』でモバイルオーダーの導入を牽引した4名に、導入の背景やそれに込めた想いを伺いました。社内のみならずテナントともビジョンを共有しながら、さまざまな課題を乗り越えたエキスパートたちの熱意に迫ります。
杉山 隆 様:森ビル株式会社 営業本部 商業施設事業部 商業運営1部 虎ノ門ヒルズ商業運営室 副室長 2002年に森ビル入社後、商業施設業務を担当。海外赴任や新規施設企画を手掛け、現在は虎ノ門ヒルズで新たな飲食体験の創造に取り組む。
草川 雄介 様:森ビル株式会社 タウンマネジメント事業部 TMマーケティング・コミュニケーション部 ヒルズネットワーク推進グループ ワーカー、居住者、商業施設の利用者などヒルズに関わる全ユーザーのIDを統合管理する「ヒルズID」導入の中心人物。モバイルオーダー導入においてもシステム連携の核となり、スムーズな運用を支える。
亀山 里樹 様:株式会社トランジットホールディングス 執行役員 事業推進本部長 創業期からのメンバーとして、数々の店舗立ち上げを担当。現在は新規事業開発を推進するリーダー的存在。
水野 賢司 様:株式会社トランジットホスピタリティマネジメント T-MARKET PUBLIC TABLE ジェネラルマネージャー 飲食業界での現場経験を経て、虎ノ門ヒルズのサービス向上に尽力。テナントとの密な連携でモバイルオーダー導入を支える。
「T-MARKETは単なる飲食店の集合体ではありません」 と語るのは、森ビル商業施設事業部 商業運営2部 虎ノ門ヒルズ商業運営室 副室長の杉山様。 「人々が交流し、特別な体験を共有できるサードプレイスを目指しています。約140席の共通席「T-MARKET PUBLIC TABLE」は、テナントの初期投資を軽減しながら売上を最大化するための仕組みとして設計されました。その運用を支えるのが、favyモバイルオーダーです」。
コロナ禍を経て、飲食施設に求められる役割が変化する中で、効率性と対面の価値を両立させるための答えがこのシステムの導入だったといいます。

杉山様「T-MARKETの象徴である約140の共通席「T-MARKET PUBLIC TABLE」は、テナントの初期投資を軽減しながら、売上を最大化するために設計されています。こうした共通席の運用を支えるモバイルオーダーは、利用者とテナント双方のニーズを満たすための鍵となっています」。
ーーでは、数あるシステムの中でなぜfavyモバイルオーダーが選ばれたのでしょうか?
杉山様「選定の決め手はいくつかありますが、とくに大きかったのは、複数店舗からの注文と会計を一括で行える点です。これを実現できるSaaSはfavyさん以外には見つかりませんでした。ほかにもスクラッチ開発を提案する企業はありましたが、開発コストが非常に高額になり、現実的ではなかったため、favyさんのシステムを採用することを決めました。
さらに、favyさんは自社で実際にフードホールを運営されており、その現場で得た知見を基にしたシステム設計や、実践的なアドバイスが期待できたことも大きな要因です。また、favyさんのチームは、単にモバイルオーダーの営業やコンサルティングを行うだけではなく、システムや開発についても理解されているため、要望を的確に伝えられました。
ツールの販売にとどまらず、事業開発を共に進めてくれるパートナーとしての信頼感を持てたことも、選定の重要なポイントでした」。
ーー導入までにどんな課題がありましたか?
杉山様「導入に際して最初に挙がった課題は、モバイルオーダーでヒルズポイントを利用できるようにすべく、『ヒルズID』と連携させることでした。この仕組みを活用することで、利用者体験を向上させるとともに、施設全体のデータ活用を強化できると考えていたからです。ただし、既存システムとの統合は非常に複雑で、現時点の実現度は50%程度といったところです。しかし、今favyさんがいろいろと対応してくれていますので、将来的には100%連携が可能になることを期待しています」
またシステム担当の草川様も課題を振り返ります。

草川様「モバイルオーダーのSaaS連携に挑む中で、スケジュール調整や既存システムとの連携が大きな課題でした」
草川様「ウォーターフォール型の開発から、試行錯誤を伴うアジャイル開発スタイルへの転換は大変でした。ヒルズネットワークのメンバーで、このタイプのシステムを理解している者は少なかったですね。とくにヒルズポイントとの連携は非常に高度な作業で、システムを構築してくれているベンダーさんとも密にやり取りを重ねる必要がありました。 favyさんにもこの連携に対してサポートに入っていただき、試行錯誤を重ねながら連携を実現させることができました」
トランジット社の亀山様は『T-MARKET』へのモバイルオーダー導入が決まった際、「システムに対して不安はなかった」と語ります。

亀山様「導入決定時は期待と同時に、未知の課題が発生するだろうなという予感はしました。オペレーションのスムーズな実現に向け、運営の整理を進めるうちに方向性が明確になっていくのを感じましたね」。
ーーモバイルオーダーについてテナント側から不安の声はありませんでしたか?
亀山様「テナントさん方も、出店を“勝負だ”と思っていらっしゃいますから、当然不安の声はありました。承認をいただくのは大変でしたよ。そのため不安を解消する目的を込めて、店舗込みでデモンストレーションを行って皆さんから意見をいただいて、一緒に進めていきましたね」
亀山様「うまくオペレーションが回るのか、一番不安なのは現場の皆さんですから。こちらもなるべく心配をかけないように、質問に対して『わからない』という回答は絶対に避けました。 現場の声に耳を傾けつつ、コミュニケーションをとるうちに、モバイルオーダーの利便性に期待を寄せてくださるテナント様も増えてきて、最終的には“みんなで一緒にいい施設にしよう”という前向きさが生まれたように感じます」
ーー実際に運用が始まってみて、現場はいかがでしたか?

水野様「初期段階では、テナント様や利用者様からの問い合わせやトラブル対応が続きました。オープン直後ですから、店舗も大忙しです。ここで問題の発生ポイントがシステムなのか、テナントなのか掴むのが遅れてしまい、オペレーションがぐちゃぐちゃに……、ということも最初はありましたね。解決方法としては、問題に応じたシミュレーションをすること。現場においては配置と指揮官がすべてですから、営業の状況に応じて数パターンのフォーメーションを用意して、都度切り替えています」
水野様「あとは、悪意なくお会計忘れをしてしまうお客様も、オープン当初はいらっしゃいました。これは人員配置を工夫して未然に防げるようになりましたが、初めのうちは利用者様もシステムに慣れていないので、こうしたイレギュラーな問題も起こり得ます」
水野様「ユーザーからは『注文が簡単で便利』という声が多く寄せられています。とくに若年層にはすぐに受け入れられましたが、高齢者向けのサポートは今後の課題です」
水野様「マーケティング面においては、各店舗の売上データが一元化され、戦略的な意思決定が容易になりました。店舗数が多い中でも、目端を効かせやすくなりますよね」
ーーそういった改善点、とてもありがたいです。ぜひ森ビルさんからも聞かせていただけますか?

杉山様「利用者がオープンから1年で1.5万人に達する中で、日々の運営から改善要望が上がってきています。たとえば、注文後にもとの画面に戻れないといったUIの使い勝手や、文字の大きさに関する声です。こうした点は、favyさんに日々改善していってほしいですね。
次の段階としては、利用者データを活用したマーケティング施策にも期待しています。販促の効果については、現状、通常時との差分でしか見えていないので、より具体的な分析が可能になるとありがたいです」
草川様「森ビルでは、お客様のヒルズでの体験価値の向上を第一に考えています。その思想のもと、社員で構成されたヒルズネットワーク推進グループを立ち上げて、デジタルを用いた体験価値の向上に取り組んでいます。favyさんの今後のシステムに期待しているのは、検証やテスト環境の整備ですね。他社と比較しても、私たちは非常に入念なバグチェックや、無茶な使い方を試みることで、システムが正常に動くかを細かく確認します。現状、検証環境に触れられる機会が限られていますので、ここを改善していただけると非常に助かります」
草川様「また、T-MARKETのような複数テナントを抱える施設だけでなく、ステーションタワー4階の他の店舗でもモバイルオーダーの導入が広がりつつあります。ほかの施設や店舗への展開を見据えると、システムの連携部分でのコストや運用負担を抑えられる仕組みがあると良いですね。接客と決済を一体化した流れは今後のトレンドになっていきそうですから、現場での運用がスムーズに進むよう、導入店舗に寄り添ったサポートを続けていただきながら、柔軟なカスタマイズも重要になっていきそうです」
杉山様「favyさんには、T-MARKETの運営を通じて得られたデータや経験を基に、利用者とテナントの満足度をさらに高めるための進化を期待しています」

favyが運営するフードホール
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favy直営店
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一般には、開業から3年で70%の飲食店が潰れていると言われています。
favyは「飲食店が簡単に潰れない世界を創る」ため、
自社で飲食業態やフードホールを運営し、収益最大化のノウハウ・テクノロジーを日々生み出しています。